令和5年新年賀詞交換会における前田大使挨拶

令和5年1月21日


皆様、明けましておめでとうございます。

岸田総理は、元旦の念頭所感において、いま私たちの世界は歴史的な分岐点を迎えている、との認識を示されました。今年日本はG7の議長国となり、今月から2年間、国連安保理の非常任理事国を務めます。また今年は、日ASEAN友好協力50周年にあたり年末には特別首脳会議が日本で開催されます。こうした中、日本とブルネイとの関係も新たな発展に向けて重要な時期を迎えつつあるように感じます。

昨年12月にはブルネイから日本へのLNG輸出50周年を記念して、首相府エネルギー局のマサテジョ副大臣を主賓とする盛大な式典が東京で行われました。式典に先立って、マサテジョ副大臣は西村経済産業大臣と会談を行い、日ブルネイ間の半世紀にわたるエネルギー協力を双方が高く評価し、引き続きエネルギー分野で緊密に協力していくことや、カーボン・ニュートラルの実現を念頭に、ブルネイのエネルギー・トランジションや経済多角化に日本が協力していくことなどを議論しました。

日本では昨年12月に新たな国家安全保障戦略が策定されました。日本とブルネイとの防衛協力も、ここ数年来友好的に進展しています。自衛隊艦艇のブルネイへの親善訪問に加え、昨年11月には、ブルネイ海軍の艦艇が日本で開催された国際観艦式に初めて参加しました。また今年はブルネイ国防省要人の日本訪問も期待されています。日本とブルネイは共に、自国の平和と繁栄を自由で開かれた海洋秩序の維持、強化に大きく依存しています。今後ともこの面で両国が協力できる余地は大きいと考えます。

冒頭述べたとおり、今年は日本とASEANとの友好協力50周年を迎えます。また、昨年末までに、日本でのコロナ対策のための水際措置が緩和され、ロイヤル・ブルネイ航空の直行便もコロナ前の週4便まで回復して、ビジネス・パーソンや観光客の往来が活発化しています。昨年12月には、ブルネイでは2年ぶりの日本文化祭を開催しましたが、2日間で約1万1千人の方にご来場いただき、改めて日本への関心の高さを実感しました。両国間の交流が一段と深まり、今年が新たな50年の友好協力に向けた出発の年になればと期待しています。

昨年は、ロシアのウクライナ侵略、エネルギー危機、円安、物価高など、まさに激動の一年でした。令和5年の年頭にあたり、今年が良いとなりますよう、またブルネイの在留邦人、日本企業の方々が益々ご健康でご活躍されますよう、お祈り致します。私ども大使館員一同、引き続き皆様と一緒に、日ブルネイ関係強化のために微力を尽してまいる所存です。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

 
令和五年一月吉日
駐ブルネイ日本国大使
前田 徹