海上自衛隊練習艦隊「かしま」、「せとゆき」のブルネイ寄港

令和3年6月14日
  2021年6月6日から6月8日の間、海上自衛隊練習艦隊司令官石巻義康海将補以下練習幹部約160名を含む約510名を乗せた、練習艦「かしま」と「せとゆき」はブルネイのムアラ港に寄港しました。
コロナ禍のため寄港中、乗員の上陸は行われませんでしたが、接触を伴わない各種行事を行い、海上自衛隊とブルネイ海軍はこれまでの長い交流の歴史により培われた暖かい関係を基に、知見や、将来のビジョンを共有しました。
  7日午前、ビデオ会議システムを用いた双方の講話が行われ、日本側は練艦隊司令官ほか部隊首脳部と実習幹部が、ブルネイからは海軍訓練司令官であるウィリー中佐以下海軍の幹部が参加しました。ブルネイ海軍からは、ブルネイ海軍司令部アブ少佐により、ブルネイにおける海上安全保障管轄組織の概要や、ブルネイ海軍のビジョンと任務、各国海軍との交流に関する説明がありました。練艦隊側からは石巻将補が、日本の掲げる「自由で開かれたインド太平洋」、日本の防衛基本方針や、海上自衛隊の取組について話しました。
  7日午後、覚田臨時代理大使は、実習幹部にブルネイ情勢について講話しました。講話後の質疑応答の際には、実習幹部からは皇室と王室の関係や、ブルネイの日系企業の活動状況などの質問があるなど、実習幹部のブルネイに対する関心の高さがうかがわれました。
  8日、練艦隊とブルネイ海軍はPASSAGE EXERCISE(PASSEX)をブルネイ沖、南シナ海で行いました。「かしま」、「せとゆき」、巡視艦ダルタクワ(Patrol vessel KDB DARUTTAQWA)及び高速警備艇アフィアット(Fast Patrol Boat KDB AFIAT)の4隻により行った同訓練により、双方がお互いの運航に関する専門性と、海上自衛隊とブルネイ海軍との間で運用における相互互換性を確認しました。
練習艦隊の遠洋練習航海は、実習幹部に対し、長期にわたる洋上生活、各種訓練等を通じて、部隊勤務に必要な基礎的知識・技能を修得させ、指揮統率の基本を体得させ国内外に対する視野を拡大させることにより、伸展性を有する初級幹部を育成するとともに訪問国との友好親善の増進を図ることを目的としています。同航海は1957年以降毎年実施しており、今年で65回目になります。
  「かしま」及び「せとゆき」は、日本を5月26日に出発し、ブルネイ、スリランカ、インドネシア、東ティモール及びフィリピンに寄港し、7月21日に日本に帰国する予定です。


ムアラ港にて練習艦「かしま」「せとゆき」を出迎える覚田臨時代理大使ほか大使館職員


練習艦隊とブルネイ海軍とのビデオ交流(ギフト交換)


実習幹部に講話する覚田臨時代理大使


日ブルネイ親善訓練